来場予約 カタログ請求 会員登録 会員登録

BLOG・COLUMN

スタッフブログ・家づくりコラム
2011.4.7

豆本を作ってみた!

  • スタッフブログ

こんにちは、設計部の松岡です

今回は先月に予告しました「豆本」を紹介したいと思います。

豆本とは、手の平に収まるとても小さな本の事で、ミニチュアブックとも呼ばれています。
熱心なファンもおり一つのジャンルとして確立されています。

そもそも豆本とはドールハウスから来ていると言われており、ドールハウス内の家具(書棚)などに
納める本の制作から始まりといわれています。

書籍の愛好家たちには読む以外の楽しみ方があり、本の装丁や製本への拘りなどさまざまです。
ここまで来ると自ら本を制作してしまおうと言う試みが、働くのも当然の流れではないでしょうか。
しかしフルサイズでは印刷所に敵うわけがありませんので、いっその事「手のひらサイズ」で作ってしまおうと豆本のジャンルが確立したようです。
豆本には定義があり3inchx3inchx3inchの立方体の中に納まるサイズとなっています。

そこで今回は豆本を実際に制作し、4月に開催される豆本展の公募に出品してみたいと思います。

fd.jpg

では早速制作に入っていきましょう。
まずは規定のサイズ内の3inchx3inch(76mmx76mm)に収まるよう原寸の簡易スケッチを起こします。
本の外装を開くと魚のカタチになる原型を樹脂粘土で制作していきます。

r00.jpg

樹脂粘土は130℃で20分程度で焼き固め1次原型を仕上げていきます。

r111.jpg

今回は複製を前提とする関係上、各パーツに分け型ヌキ可能な形状にする事に注意します。
また可動軸には金属のロッドをインサートしヒジリや変形の防止対策を行います。
もちろん表面の処理も慎重に行います。

4.jpg

1次原型を仕上げてシリコーンゴムにて型取りしこの型に真空整形器で工業用レジンを射出し原型を複製します。
複製したレジンを元に仕上げのディテールを加えサフェーサーを塗布して下地を整えます。
下地が完了した所で、塗装の仕上げに入ります。

r444.jpg

この塗装はアクリル系の絵の具を使用し仕上げていきます。
今回は「金属が錆びた」イメージのモノと
「金属に焼付塗装してものが傷が付いて使用感がある状態」の2種類を仕上げてみました。

r333.jpg

そして出版社や発行者の名前などを制作します。
パソコンで制作した文字データを油性ドライプリンターを使用し水転写フィルムに印字します。
その文字を印字したフィルムを本体に貼りマークソフターで馴染ませ、艶消しクリアを吹き定着させていきます。

5_20110405181440.jpg

次に本の中身をパソコン上で制作し紙にプリントして製本します。
適度な大きさに切りそろえ本体に接着して豆本は完成です。
最後に本を展示する台を透明のアクリル板10mmを使用し裏面より作品名を印字しベース色を加えて完成です。

qwww.jpg
f333231234.jpg

今回はブックマークナゴヤ2011豆本展の事務局へ発送して完了です!
では、実際の会場へ足を運ぶことにしましょう!

さて、会場となるのは名古屋市東区にある「文化のみち橦木館」
ここは輸出陶磁器商、井元為三郎によって建てられたその館で大正時代に立てられた味わい深い建物です。

gf.jpg

中は当時の面影を残す木造の建物で保存状態もよく、どこを見ても絵になる建物です。
この建物奥の大きな和室が今回の豆本展のかいじょうとなります。
全国の豆本、書籍の愛好家たちが豆本作家の作品を眺めてはマニア談議にお花を咲かせていました(笑)

k89l.jpg

P4060036.jpg

↑ コチラが私の作品です。錆びた色と塗装が剥げた白の2種類を制作しました。
実際はケースの中に納められていますが撮影のため被せていません。

いかがでしたでしょうか?
豆本に興味を持った方、実際に作ってみたい方、いらっしゃるのではないでしょうか(笑)
今回は少し長くなってしまいしたがこれでもかなり短く編集したつもりなのですが。
何かを作るって心が満たされる感じがしませんか? 
パソコン上の仮想空間も良いですが、実際にソコに「ある」ことの意味を再確認する!
結構大事な感覚ではないかと思います。

matu.jpg
設計部 松岡でした。
次回は世界遺産、歴史を傷跡を残る建物探訪です!
お楽しみに。